BSプレミアム放送 ミュージカル『ひかりふる路 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』 感想

BSプレミアム放送を見直してみました!
 
この作品には思い入れがあって……
なんせ、こんなに宝塚オリジナル演目って面白いんだ!と思ったのが『ひかりふる路』と『SUPER VOYAGER!』だったんです
それまでもBlu-rayなどで楽しい作品には出会っていたのですがドハマりしたのはこの作品からでした
 
望海&真彩コンビのお芝居、そして歌に撃ち抜かれてしまったんですよね
退団、本当に寂しいです
 

全体感想

ちなみに、初見は東京宝塚劇場1月13日の公演でした
その時の感想を見返すとなかなか面白いんですが笑
 
はっきり覚えているのが歴史物のこの物語はちゃんと歴史を描こうとしているのだな、と思ったこと
 
今でも配役表見ると細かくてビックリするんですよね
しかも細部に拘りが見えて楽しい
 
ラブロマンスと歴史物語とのバランスが良くてフランス革命モノとして最高でした!
 
歴史物語として
フランス革命の負の面であるのが、やはりロベスピエールのテロルと処刑
 
ひかりふる路』はこれについて正面から描いているんですよね
それも、きちんとロベスピエールの過ちとして描ききった
 
これって私が当時イメージする宝塚の物語とは違っていたんです
 
例えば、個人的には初めてポスターを見た時のキャッチフレーズ『愛の為に、世界を変える』に不安があったんです
 
ロベスピエールが貴族の女性との愛のために革命起こしたとかいうストーリーだったらどうしよう…
みたいな不安が
 
それが私のイメージする宝塚らしい物語、歴史物の脚色でした
(『1789』なんて代議士でもないデムーランとダントンが三部会に登場するぐらいでしたから)
 
しかし、この物語は理想に燃える青年として描ききっていたのがとても印象的でした
 
 
ニクい演出
初めて見た時、Blu-rayを買った時、BSプレミアム放送を視聴した時
それぞれでニクい演出だと感じた点をいくつか纏めてみました
 
②最高存在の祭典で粉々にされたステンドグラス
③銀橋にいないアンリオ
 
①は国王裁判とテルミドールのクーデターを同じ構図です
ロベスピエール自身が独裁者とみなされ断罪される側になったことが表れていてゾクゾクします
 
細かい所だと「テルミドール」という言葉になっているのが良かった笑
 
また「血が喉に詰まっている」という野次も聞こえ、拘りを感じました
実際に飛ばされた野次だったはずなので妙なリアリティがあります
クーデター時のロベスピエールへの憎しみ・悪意・恐怖・侮蔑などが渦巻くシーンでした
 
②は、まさか最高存在の祭典を描くとは思ってなかったら度肝を抜かれました笑
 
残された資料から分かる祭典の異様さが舞台上にあり、何回見ても新鮮にゾッとします
 
ここのシーンで拘りを感じるのは、ステンドグラスが粉々にされている点
 
特に説明はなかったけど、キリスト教の否定というこの祭典を表しているようで気づいた瞬間にゾクゾクしちゃいました
 
③については今回改めて気づいた点です
何度も見てるとちゃんとアンリオをアンリオと認識出来るようになってきました笑
 
ジャコバン派が銀橋にいるシーンで、アンリオだけが舞台上に残っていたんですね
 
裏事情としては銀橋を渡るというのは序列に関わるということがあるからなのかなーなんて思いますが…
 
アンリオって確か市民で構成された部隊を率いていたはずです
すると、舞台上に残ったアンリオ、市民を扇動している!!!
ア、アンリオ〜〜!!
 
意図されているかどうかは不明ですが地味な感動ポイントでした笑
 
 

キャスト別感想

マクシミリアン・ロベスピエール(望海風斗)
理想に燃えるが真面目すぎて周りが見えなくなってしまいがち、暴走しがちな青年
テロルを敷く時はザ・暴君の顔を見せつつも「何かがおかしい」と心の奥底では思っているような悲痛な顔をしているのが印象的でした
 
理想が赤い血の滴るものになってしまった時の悲しい叫びの歌が哀れでなりません
 
サンジュストはじめとするロベスピエール派に持ち上げられてしまった哀れな青年に見えました
 
本当は平和主義で、仲間たちと一緒に革命を進めて行きたかった
だけど、戦争など国内外の問題によって疲弊していく
 
望海風斗のロベスピエールは、そんな人間的な弱さがありました
 
 
彼女の演じる人間ってそういう人間的弱さ、悲劇性が凄く魅力的です
しかもその悲しみや悲痛な叫びが歌に乗ってコチラ側にダイレクトにくる
 
大好きです
 
 
マリー=アンヌ(真彩希帆)
シャルロット・コルデーみたいだなと思ったらモデルの一人でした笑
 
貴族の娘の割に物理的な強さがあるのですが笑、彼女は自由な一人の人間だから強いのだと思います
 
マリーアンヌに限らず、この物語の女性は『強い』
それは彼女らが自由であるからです
 
自由意志でもって生き方を選択しているようでした
 
実際マリーアンヌはパリに生きる女性たちに感化され革命の理念を理解していましたし…
 
希帆ちゃんのマリーアンヌは貴族の少女から意志の強い一人の自由市民として生まれ変わっていったように思います
 
とても好きです
 
 
ジョルジュ・ジャック・ダントン(彩風咲奈)
『勇気が、もっと勇気が必要だ!』なーんて演説し出しそうなダントンでした
 
不器用な男ダントンなんですが、友情にあつい悩める男
 
咲奈ちゃんってよく困り眉になりますが、笑顔の裏で悩む男というのがこの癖にマッチしてるのかな、なんて思い返してます笑
 
 
サン=ジュスト(朝美絢)
 
可愛らしい顔立ちから放たれるヤンデレがとても印象的です
 
マクシム嫌がってるのに回り込んでみたり
親友を処刑して明らかに凹んでるのに「褒めて褒めて〜」と言わんばかりの顔してみたり
 
サイコパスっぷりが最高ですね!笑
 
恐怖政治のシーンでは、一人だけ個人崇拝になっちゃってるの、キマってますよね
挙げ句の果てに神として奉っちゃうし
 
この作品であーさ(朝美絢)の演技めちゃくちゃ好み!と認識しました
 
 
カミーユ・デムーラン(沙央くらま)
滲み出る良い人感!
 
リュシルの事を愛していて、市民を愛していて、フランスを愛している
 
愛のあふれるデムーランでした
 
 
リュシル・デムーラン(彩みちる)
みちるちゃんのビジュアルが大好きなんです
 
という好みの話は置いておいて笑
リュシルはカミーユの良き妻として、マクシムとジョルジュの良き友人として微笑んでいました
 
けれど、やはりそこはカミーユ・デムーランの妻
最期は革命家と共に、革命家として処刑されていきました
 
みちるちゃんの演じるリュシルの静かな強さには痺れました
 
 
ロラン夫人(彩凪翔)
ロラン夫人の立ち位置、重要なんだか重要じゃないんだか分かんないな
なんで最高存在の祭典で出てくるんだろう
 
と初見で思っていましたが、今なら分かる
彩凪翔が演じているからですね笑
 
凪さんとても美人!
 
 
ジョゼフ・フーシェ(真那春人)
小者感あふれるフーシェ
これでいてめちゃくちゃ長生きなんだよなあって思いながら見てました
 
ちなみに妹に絡んでたのはもともと付き合ってたからかなあなんて思ったり思わなかったり
 
テルミドールのクーデターロベスピエールが「恐怖政治の末、最後に処刑されるべき者がいるとしたらそれは私だ。私は私の死を望む」と言ったとき
頭抱えてもだえた末にびっくりしすぎて腰抜かしてるのちょっと可愛かったです
 
 

生田先生と望海風斗

私は最初に宝塚のオリジナル演目で面白いと感じたのが生田先生の『Shakespeare』でした
先生の脚本と演出が好きなんですよね
 
望海風斗&真彩希帆の退団公演のショーは生田先生の演出です
初のレビュー作品なのがちょっと怖いですが笑、望海真彩コンビと生田先生の作品が楽しみです